毎週木曜日にPrimitive Media Labと題して、プリミティブなあれこれを実験するような野良ゼミが開講されている。先生は橋本典久先生で、パノラマボールなどが有名な作家である。
明治大学FMSには学科の雰囲気柄、表現に興味があるという人も少なくない。ちょうど今年から橋本先生がFMSに着任されたので、なにかゼミ的なものをしたいということで先週から始まった。先週は顔合わせやセットアップで、今週から回り始めた。
今回のテーマはカメラの原点、カメラ・オブスクラ。
まず身近な凸レンズ、凹レンズの分別から入り、なぜ鏡は鏡なのか、なぜ物に色があるように見えるのかなどを例に、光について解説。光は真っ直ぐ進む。物は乱反射している。赤色に見えるものは赤色以外の波長を吸収しているから。距離に応じて光は弱くなる…
ここまで来ると、ピンホールの説明に入れる。箱に小さな穴(経0.3mmほど)を開けると、外から穴を通って入った光が像となって映し出される。外部から穴を通り、様々な角度で侵入してきた光が1つ1つ箱にあたり像を作り出す。光は絵の具とは違って、交わると白になる。だから、穴が大きすぎると、1つの場所に様々な光が当たってしまい、ただの灯となってしまう...
といった具合に、先生からのレクチャー。その後グループに分かれ、ダンボール2つと、凸レンズなどを用いて実際にカメラ・オブスクラをつくる。あまりよい写真(人が写っていなくて、使いやすい写真)が無かったが、いくつか雰囲気が伝わるものを載せておく。
制作したカメラ・オブスクラ。
カメラ・オブスクラ越しに撮影した学食。
カメラ・オブスクラ越しに撮影した学食2
せーので像を見たけれど、かなり感動的だった。理屈ではわかっていても、実際に映るとなかなかのわくわくがある。普通、スクリーンに映し出されるものというのは24fpsであったり早くても60fpsくらいだと思うのだけれども、リアルに映し出される像が滑らかに動くだけでかなりの驚きがある。僕はNEX-5シリーズやRX100シリーズを使うことが多いので、ライブビューもそんなにフレームレートが高いわけではない。身近な生活の中で、カメラ越しに見る像というのはかなりフレームレートが落ちているのだと思う。
ゼミの最後に先生が言っていたのは、人間が初めて手に入れたのはモノクロの映像でもなく、画像でもなく、フルカラーの映像だったわけで、どうにかしてそれを残そうとして、様々な人間が努力して、今まで来たんだということを言っていた。今でさえ高解像度で高精細な映像を手にすることが出来るようになったわけだけれど、最初に志した人からすると、まだまだ全然だったのかもしれないと思う。
ゼミが終わって、数年前にメディア芸術祭で賞を取ったある作品を思い出す、「これは映画ではないらしい」という作品があって、これはフレームレートという枠を越えようとしている作品。(と思っている)
これが世界初のアイディアなのかというと分からないのだけれども、今まで見たことがなかった。どうしても4Kとか、8Kとか、最近はそういうところが話題になりがちだけど、そもそもその軸があることさえおかしいのでは、というアプローチは、Youtube当たり前、スマートフォン当たり前となったこの今のタイミングでとても面白いのではないかなと思っている。
まとまらない感激しいけど、とりあえずこれで終わる。日記だもんね、いいですよね。とりあえず僕は楽しかったです。
これは映画ではないらしい、他にもこうしたアプローチをしている人が居るよというネタがあればこっそり教えて下さい。