「ニコニコ学会ベータでの失望 (12/21)」を読んだ
http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20131226/1388029366 という記事を読みました。
山形浩生さんって、 伽藍とバザールとか、How To Became A Hackerとかを翻訳された方なんですね。すげぇ!お世話になってます。
記事の内容ですが、お金払ってニコニコ学会に見に来たけど第一セッションを聞いていたら、ちょっと色々とわけ分からなくなってしんどかったので20分残ってたけど帰りましたという話で、それでニコニコ学会はよく分からん、こんなんでいいの?みたいな内容でした。詳しくは文章を読んで下さい。
第一セッションが酷かったのはまぁ同意なんだけど、それだけ見て他を見ずにニコニコ学会どうなの?みたいな記事を書かれるのは結構勿体無いかなと感じた。そんなこんなで、ちょっと触発されたので、ニコニコ学会に参加して、思ったことをつれづれなるままに書いてみる。
個人的な感想
最初のセッションは割としんどかった。壇上に上がっている人々は常に深く考えたりし続けてる人間だから、僕より一個次元な上な感じなのだろうと勝手に思っていた。だから一層気を付けてがんばって聞いていた。何を言いたいのかなとか考え続けながら聞いた。第一セッションの後は結構疲れた。
たとえば渋谷慶一郎は、音楽において「縦の時間」と「横の時間」があって、横の時間より縦の時間を重視して云々、と言っていた。縦の時間ってなんですか~。それでも渋谷慶一郎は、何か言いたいことがあって、それを表現する手段としてこういうへんちくりんなことを言い出したんだろう。そして、聞いているうちに、縦の時間というのはなんだか音の厚みみたいなことを言いたいんじゃないか、というのはうすぼんやりと伝わってくる。
渋谷さんの話とかは難しいのが多かったけど、ところどころなるほどと思える所はあったし、初音ミクのオペラについての話は普通に面白かった。ただ音楽においての「縦の時間」については僕もよく分からなかったですね。聞けるものならもう少し詳しく聞いてみたい。というか、たぶんコメントでも「縦の時間って何?」みたいなコメントはあったんじゃないかと思う。コメントをしっかり拾ってくれてもいいのになと思った。なんかくだらないコメントばかり反応していて、しょうもないなと思った。もっとインタラクティブな感じを活用してほしいと思った。何のためにコメントを流しているのかなと。その辺福地先生の司会は素敵だったかなと思う。
渋谷さんの後は堀江さんの登場。確かに池上さんとかはちょっと暴走していたように見えた(いつもあんな感じなのでしょうか)。池上さんのパンチを堀江さんが華麗にスルーしていく様子がただ繰り広げられていくように見えた、たまに打ち返したりしながら。両方なんとなく言いたいことは分かるんだけど、とりあえず話が噛み合わない感じだった。どこぞやのニッポンのジレンマみたいな感じですね。
だが……ここで池上が何を言い出したかというと、「大学は無意識を鍛える場だ、無意識が鍛えられることでその人物が変わるのが重要なんだ」と。役に立つ知識なんて専門学校と同じだ、でも専門学校卒の連中なんか無意識が鍛えられてないからだめだ、と。 無意識が、鍛えられてない……??!!??! ぼくは、この壇上の人物が何を言っているのかさっぱりわからなかった。
無意識のくだりは、たぶん物事の引き出しみたいな話がしたいんだと思った。僕は専門学校に通ってないし大学もまだ一年目なわけだけれども、専門学校は職人的に、ある分野の技術にフォーカスして勉強し、習得する場所であって、大学は比較的様々な学問を学ぶ場所だととらえている。その辺の違いが、特に問題解決の部分で、後々出てくるんじゃないんですか、といったことが言いたかったんだと僕は解釈した。いやいやそんなことないだろ、こういう人いるよ、みたいな人も居ると思いますが、全体的に見てそうなんじゃないんですかね?どうだろ。詳しいデータとかあれば知りたいですね。
第一セッションについて
僕がセッションに順位をつけるなら、残念ながらこのセッションが一番下に来るかもしれないなとは思う。有意義なセッションだったかというと、ちょっともやもやっとして終わっただけなのではないかと思ったから。それこそ、「ふわふわ」したセッションだったんじゃないかなと思いました。これなら居酒屋でいいんじゃないんですかって誰かコメントしてた気がする。少なくとも、色んな人が聞いてるわけで、それこそニコニコ学会は民主化みたいなところを目指しているんだから、難しいことばかり並べてちゃダメでしょと思うし、もうちょい話の方向性とかを決めておいたほうがいいんじゃないのという感じだった。
それに比べて、他のセッションは、ある程度視聴者を意識した内容になっていたから、分かりやすかった。というより、プレゼン後のトークみたいな感じだったから、良かったんだろう。第一セッションは、いきなりトークだったしね、そこも何か違いがあるのかもしれない。どういうスタイルで進めるかみたいなところも重要かもしれないですね。
でも学会なわけだから、分かりやすい、だけではダメなんだと思うし、ちゃんとした研究というのも発表してもらわないといけない。でもどうやって分かりやすく伝えるんですか、というところは腕の見せどころだと思う。
ニコニコ学会について
さてさて、ずらずらと書いてきてしまったわけなのですが…。ニコニコ学会は、まさにβという感じがしていた。ある所はとても配慮されているのに、ある所はまだちょっと配慮が足りなかったかも、みたいなことが沢山ある。セッションの形式さえ、今までの方式で良かったのかとかも考えものだと思う。ニコファーレを使えるなら、ニコニコ動画を使えるなら、そうしたシステムを生かした方法もあるかと思うしなぁ。
ニコニコ学会の運営に対して、どうアプローチをして(きた|いく)のかとても興味が湧いてきた。まずはニコニコ学会を研究してみたを読むことですかね。
MBPの電池も無くなってきたしこの辺で。とりあえず、第一セッションからきのこセッションを除く全てのセッションを一通り見た僕は、ニコニコ学会βは面白い取り組みかもなと思いました。以上です。
追記(2013/12/27 1:53)
念のため書いておくと、これは「ニコニコ学会ベータでの失望」であって、「ニコニコ学会ベータへの失望」ではない。この1.5時間だけきいて、ニコニコ学会すべてがこのような差別的で無内容な代物だと主張しているのではまったくないので。これまでのやつについて少し噂も聞いていて、かなりおもしろそうだと思ったからこそ、今回もわざわざ足を運んでみようと思ったんだし、今回もその後のセッションはおもしろかったらしいね。
と書いていた。それにしてもあんな感じの口調で記事書くのは芸風なんですかね。あんな感じで書いたら、「ニコニコ学会ベータへの失望」と読まれることも想定できただろうしなぁと思う。気持ちが高ぶっていたら仕方ないかもな。